最近のIT業界のあれこれを、バブル崩壊という一つの方向性で語っている本です。寄せ集めな感もありますが。

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)たしかに、ネットの様々な無料サービスが、世界的な金余りによる投資資金によって成立しているというのは、納得します。金の力は、それがばらまかれている間は、とても大きいですよね。当然のように感じていても、金の流れが切れたときによくわかるでしょう。

私は、著者の明け透けで身も蓋もない表現が好きですが、人によっては、嫌悪感を感じるかもしれません。例えば、まえがきで、現在のIT業界を「暴風雨の後始末のようなつまらない状況になっている」と表現するのは、笑えます。

ただ、ちょっと読みにくい書き方だなと感じるのは、私だけでしょうかねえ。文体が独特であるということを差し引いても、文章が無駄に長くて、何が主語なのか文の最後まで読まないとわからないような書き方が。

ところで、この本の最大の読みどころは、本のそとにあります。経済学者で有名ブロガーの池田信夫先生がさらっと切って捨てたように言及しています。

シュンペーターの逆説 - 池田信夫 blog今どき『情報革命バブルの崩壊』とかいう恥ずかしいタイトルの本を出す評論家もいるが、そんなことはとっくにわかっている。

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これに対する著者の切り返しが、これ。

切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blog: 池田信夫が釣れた件池田信夫に献本でもしたのかと思われるのも何なので。要は、餌のついてない針を放置してたら思わぬ珍魚が釣れたという点で、これはまさに慶事であります。この物件だけでも新書書いた甲斐がありました。

池田信夫をはじめ、関係者の皆様には篤く御礼申し上げます。

» 切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man’s Blog: 池田信夫が釣れた件

ブログ黎明期からのアルファブロガーだけあります。普通、珍魚とか慶事という言葉は出てきません。

Collapsing Cumulus
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公開2008-12-08 今まで読んだ本