私の観察したところでは、経理が苦手な人は、領収書の整理も苦手です。しかしながら、経理の第一歩は、領収書から始まります。きちんと領収書を整理できるようになれば、経理も嫌いではなくなるかもしれません。

収納

まず、領収書は、折りたたまないでください。小さな領収書を折ってさらに小さくしてしまったら、かさばるし、読みづらいのです。

実は、領収書を新聞切り抜きのようなスクラップブックに貼る必要はありません。クリップで止めてもいいし、穴を開けて紐を通してもいいです。

とりあえず収納するならば、A4クリアーホルダーがお勧めです。紙の封筒は、すぐに中身を判断できません。クリアーホルダーを買うのが勿体ないなんて絶対に思わないでください。整理するにも多少のお金がかかります。これこそ必要経費です。

順番

1.現金と通帳別

最初に、領収書を、現金で支払った領収書と、通帳から直接振り込んだ領収書や請求書に分けます。経理では、現金と各通帳を別々に処理しますので、まず、大きく現金なのか、どの通帳なのかを分ける必要があります。

例えば、通帳から振り込んだ経費について、相手先から領収書を受け取っている場合、その領収書が現金のグループに入ってしまったら、経費を二重計上してしまうことになります。

銀行が発行する振込明細書は、通帳残高が記載されていたら、通帳からの支払いとわかります。通帳残高が記載されていないものは、現金での支払いだったはずです。

通帳からの支払いの場合は、領収書がなくて、請求書や通知書だけのことが多いのですが、請求書や通知書は領収書と同じように扱って整理します。支払ったことは、通帳によって証明できるからです。現金での支払いの場合は、請求書や通知書だけで、経費に落とすことは原則できません。領収書か振込明細書が必要です。

2.日付順

領収書を、現金と通帳別に分けた後は、日付順です。古いものを上に、新しいものを下にします。銀行の通帳も、古い記録が先に、新しいものが後になってますよね。

これは、相手先別ではありません。相手先別にすれば、同じ種類・大きさの領収書がまとまるので、視覚的に非常に整理した感覚を受けますが、経理上の意味はありません。

日付順にする方法

領収書の束を、3段階で日付順に整理します。

  1. 月別に分ける。
  2. 上旬、中旬、下旬、月末に分ける。
  3. 日付順にする。

トランプのカードを配る様子をイメージしてください。1年分の領収書を、いきなり日付順にすることはできません。3段階に分けて、一つ一つの作業を単純化します。

1.月別

机の上に下記の図をイメージして、領収書を順番に置いていきます。1段階目では、月別にしか分けません。日付は無視します。

10月 11月 12月
7月 8月 9月
4月 5月 6月
1月 2月 3月

2.上旬、中旬、下旬、月末

各月の領収書を、机の上に下記の図をイメージして、さらに分けます。具体的には、上旬は、1日~9日。中旬は、10日~19日。下旬は、20日~29日。月末は、30日、31日、日付なしのもの、です。





3.日付順

10日ごとに分けた領収書を、以下の図をイメージして、さらに分けます。

7日 8日 9日
4日 5日 6日
0日 1日 2日 3日

電卓と同じ配列というところが、ポイントです。経理をしていれば、電卓の配列は、無意識にすり込まれているから、すぐ思い浮かびます。

あとは、三角クリップで止めるなどして、月別にA4クリアーホルダーに入れます。ホルダーに「何年何月」と見出しも書いておきましょう。

あとがき

今回は、バラバラの領収書を整理する方法を書いてみました。そのうち、領収書をバラバラにしないように整理していく方法を書きたいです。

The Veins of Bangkok
CreativeCommons Attribution-NonCommercial License, Trey Ratcliff

公開2008-05-20 会計