ちょっと前にネットで話題になり、Amazonに在庫がなかった本です。妻が料理の参考に使っているので、名前だけは知っていました。
ひとつのビジネスが10年間の苦労を乗り越えて成功へと至る物語です。この本は、まるで自分が起業したかのように感情移入して読ませる魅力があります。クックパッドの魅力が半分、著者のもの書きとしての実力が半分です。
当たれば大きいネットの世界
就職経験がない社長でも、理念を考えて、どう行動すべきかを判断していけば、うまくいく道も開けてくるのかなあ。それにしても、ネット企業は、当たると大きいけれども、成功事例の絶対数が少ないです。社員40人の会社で600万人の利用者がいて、マザーズ上場ですからね。ネットの世界は、当たった会社が総取りです。
理念に基づく経営の大切さ
理念に従って、どのような判断をするかというと。例えば、料理を楽しむために、食材の優劣を議論する場は必要ないという。たしかに、世の中に生産的な議論は少なく、不毛なものになりがちです。議論の場、例えば2chには、人が集まりますけどね。はてななんかは、なんとかそういった言論空間の場を充実したものにしていきたいと努力しているのでしょうけれども。不特定多数の人間がプラスの関係で集まるための条件作りは難しい課題ですね。その点、クックパッドは、そういうことを華麗にスルーして、料理というリアルを充実させることに注力しています。
Webサイトのあり方
この本から私が読み取りたいことは、Webサイトの作り方です。料理を楽しくするためにレシピを投稿できるというところから考えて、Webデザインとなかのシステムを作って、この巨大サイトができたということです。ネットで何かをやりたいとか、伝えたいと考えたときには、そのために最適なWebサイトのカタチがあるはずです。内容によっては、なかのシステムは要らないかもしれません。
ネット上には、膨大なWebサイトがありますが、それぞれに個性があります。ほかと同じように作っておけばいいというものではなくて、そのWebサイトがやりたいこと・伝えたいことのためにデザインをしていくという考え方を持たないと、読者に受け入れられないのだなあと感じました。読者に次のクリックをしてもらうのは難しいですよね。