7月3日、やっと読み終えました。

市場検察内容は、要するに、ここ十数年の検察の主な動きです。が、そういう言い方だと面白みがないので、市場経済に対応した「市場検察」になっている、という視点でまとまっています。

よくまあ、これだけ詳細に、かつ、わかりやすくまとめられるものだなと、驚嘆します。新聞記者の面目躍如というところです。これを読んだ後では、アサヒるとか、マスゴミいらない、なんて言えません。

私が知りたかったのは、ライブドア強制捜査後も、同じ方針が続いているのか?という点でした。LD事件については、経済マスコミから「万引きで死刑判決を受けたようなもの」「ねらい撃ちの国策調査だ」などと言われていたそうです。私もそう思います。

この本を読んで、ひとまず安心しました。検察でも問題意識があったようで、平成19年7月に証券取引等監視委員会が佐渡委員長になってから、刑事告発重視の方針をやめて、まずは行政指導によって犯罪を抑止する方針へとかわったそうです。

余談ですが、この本では、佐渡委員長は、経済にも理解があり、暴力団対策にも積極的で素晴らしいのですが、公式ホームページの素人が撮った写真(フラッシュ使用)では、そういったやり手のイメージも、権威も、まったく伝わってきません。SESCのホームページは、明らかに見栄えに予算をかける意思がありません。しかし、情報公開の意思はありますよ。Googleのインデックスは22,700ページあります。この方針は、役所のひとつの規範として、素晴らしい!トップの顔写真ぐらいは、プロに依頼しても、納税者は咎めないと思いますが。

他にもこの本には、天下りの実体、司法取引の本質などが詳しく解説されています。

今まで知らなかった世の中をひとつ知ることができる一冊でした。

公開2008-05-30 今まで読んだ本