自分を見つめ直すことができる本。

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))あんまり、まとまった感想文を書けないので、気になったところを引用。

コンサルティングのプロジェクトを売る営業をずっとしていましたが、これはもうほとんど「ノー」と言われ続けます。無料のセミナーを企画して、…千人くらいに案内を送る。返事が来るのが百人。アンケートを配る。半分は無反応。残りの大半は「面白かったけれど、お金を払ってまで付き合う気はないよ」。「一度訪ねてくれ」百人の中で多くて五人。全部訪ねていっても、売れる相手は一人いるかいないか。

壮絶です。こういう努力をしているから、私はコンサルタントを凄いと思うのです。幸いなことに、税理士業は、すべての会社にとって、毎年必要とされています。

「時代の変化」への鈍感さ、これまでの慣習や価値観を信じる「迷いのなさ」、社会構造が大きく変化することへの想像力の欠如、「未来は想像し得る」という希望の対極にある現実前提の安定志向、昨日と今日と明日は同じだと決めつける知的怠惰と無気力と諦め、若者に対する「出る杭は打つ」的な接し方

これは、めずらしいです。今まで、梅田望夫氏は、ポジティブな発言しかしませんでした。こういった思いを内に秘めていることは充分に感じ取れていましたが、ここまで正直にネガティブな言葉を並べるとは。もちろん、これを書くことによって、言いたいことの方向性がはっきりして、わかりやすくなるとは思いますけれども。

私としては、梅田望夫氏に非常に共感できるので、その方向への舵取りによって、自分のビジネスで生き残っていきたい。一段低い立ち位置で模索します。

つまり、Web時代に、税理士がどうあるべきか?そのために、どんな努力をすべきか?梅田氏の思考を自分の業界に当てはめて考えなければなりません。まだ答はみえないです。とりあえず、ブログを始めて1年が経った。

追記:プロの書評は違います。あ、そこ、この本のポイントだったよね、という箇所が詰まっています。
» 将来、文部大臣になる男!?~『私塾のすすめ』 齋藤孝・梅田望夫著(評:荻野進介):NBonline(日経ビジネス オンライン)

公開2008-06-03 今まで読んだ本