一晩で読めてしまいました。さすが、文章の書き方の本の著者です。読みやすい。
かなり挑戦的なタイトルなので、反発を覚える人もいるかもしれません。が、私には、いいっ放しにはしない優しさを感じます。
確かに、インターネットで儲けることはできると思います。GoogleやYahoo!が利益を上げている限り。ただし、簡単にはいかないし、限界がありますよ。という話です。駄目ダメと否定しているだけではありません。
ネットで売りやすいものと売りにくいものがあり、売りにくいのは、雑貨、食品、化粧品、健康食品など、とのこと。なるほど。
成長していたネットバブル期と、成熟した現在は違う、とのこと。まさに、先行者利益があったのですね。早い者勝ちだったとは。
インターネット事業は、すぐに右肩上がりに収益が上がるものではなく、見込み客を集めて育てる作業や、コンバージョンの高いホームページを作りこむことに非常に時間がかかるところがある。
簡単な商売はないのですね。
税理士業の場合
さて、他人事のように読むだけでなく、この本から得られる知見を税理士業に当てはめてみましょう。いろいろと得られるところがあります。
結論は、ハードルが高いけれども、インターネットには向いている業種だと思います。
税理士業がネットに向いている理由
- 雑貨と違って、近所で売ってないので、必要な人は検索する。
- 飲食店と違って、商圏が広い。
- 日用品と違って、単価が高い。
- 最大の理由:税理士のサービスは、そのままリピート客になってくれる。
ハードルが高い理由
- 広い商圏でナンバーワン、又はオンリーワンにならないと選ばれない。
- 特徴を出すために、独自のノウハウとコンテンツを持っていないといけない。
- さらに、ノウハウとコンテンツを表現するために、Webサイトを作り込まなければならない。そのために時間と金銭という体力が必要になる。
自分が物を購入する時のことを考えてみればわかりますが、高い物を購入する時ほど、事前に念入りに情報収集します。税理士のサービスは、かなり高い部類に入るので、それだけ、納得してもらうためにたくさんの情報が必要になります。しかし、広告が解禁された数年前まで、税理士は、そういった説明努力をしてきませんでした。
この本には、成功事例として、税理士事務所が紹介されています。手間と時間をかけない「効率重視型」だそうです。このあたりを目標として、数年がかりで、金をかけずに時間をかける方法で取り組んでいきたいと思いました。
CreativeCommons Attribution-NonCommercial-NoDerivs License, Zach Stern