親子仲直りして、連載を終わったと聞いたので、買いました。あれだけ仲の悪かった親子が、どんなプロセスを踏んで和解に至るのかを是非読みたいと思ったのです。

美味しんぼ 102 (102) (ビッグコミックス)が、その期待は裏切られました。

たしかに、海原雄山の方は、無口なキャラ設定なので、納得です。ところどころで、雄山なりの親としての愛情がうかがえる行動をしている。

しかし、肝心の主人公、山岡史郎の心境の変化をまったく描けていない。究極VS至高の対決では、最後まで、雄山に対する暴言を吐いています。そして、ちょっと無口になったかと思ったら、ラストで一緒に酒飲んでる…すいません、どこで気持ちが変わっていったのか、まったくわかりませんでした。

文中、表紙のようなちょっと思い詰めた顔がよく描かれていますが、そこで内面の変化があるのを察してよ、ということでしょうか。察せません。

山岡は、雄山を否定するセリフをよく言ってます。でしたら、心境の変化があったなら、それも口に出してくれないとおかしい。雄山のように無言の姿から読み取るというキャラではないはずです。

まあ、そうはいっても、買ったことを後悔するほどではありません。あいかわらず、料理の知識が豊富ですごいなと思いました。

公開2008-07-09 今まで読んだ本