何が重要かは主観的な判断になりますが。日頃、いろいろなビジネスの話をお聞きしていて、意外と重視している人が少ないと感じます。無借金と本業重視って、ビジネスで最も重要ではないでしょうか。

無借金

決算書でもっとも関心が高い項目は当期利益です。赤字になったら銀行はお金を貸してくれません。利益の増加に比例して税金も増加します。利益が1番重要であることに異論はありませんが、それだけだと長期的な視点に欠けています。

利益をたくさん出すことができれば、当然ながら強い財務体質になることができます。強い財務体質とは、すなわち無借金のことです。借金がなくても、何時でも必要な時に銀行から借りることができます。万が一経営危機になった時、最も耐えしのげるのは、無借金の会社です。

利益は、資本蓄積の第一歩であって、銀行からさらなる借金を引き出す手段ではないと思います。 無借金になるというのは、不確かな将来に向けて万全の体制を整えることです。

本業重視

毎日代わり映えのしない本業に飽きてしまうのか、よくいえば、本業に限界を感じてしまうのか、はたまた、単に隣の芝生は青く見えるだけのか、とにかく本業から気持ちが外れていくケースを多くみます。

例えば、軽い症状としては株があります。無借金の人が余ったお金で株をやるのはいいですよ、だけど、銀行借り入れがある人は、結局借金を返さずにそのお金で株をやっていることになります。

軽いようで後で重症になるのが不動産投資です。本業に直接必要な不動産を賃借できないから買うのであれば、それは仕方がないといえます。しかし、それ以外は、新たに不動産投資事業を始めたと考えるべきです。本人に新規事業を始めたという認識がないことが多いですけれども。不動産投資は、特にバブル崩壊以前に成功体験のある経営者に多いです。これも無借金の人が余ったお金でというなら止めはしませんが。なんで銀行はちょっと業績がいいとか最近景気がいいとかそんな理由ですぐ大金を貸すんだろうなと不思議に感じます。

本格的なものになると、長年の夢だったといって別のお店を開いたりします。残念ながら、中小企業でオーナー経営者がいなくても、きちんと業務をまわせるような優秀な従業員は未だ出会ったことありません。そういう人は、大企業に就職しているか、独立しています。

経営学の理論では、大企業では多角化という選択しもあるかもしれませんが、経営資源の乏しい中小企業では本業に専念すべしと書いてある筈です。しかし、いかんせん、やりたくてうずうずしてる人を止めることはできません。税理士も経営に関しては話を聞くだけで説得力はありませんし。

果たして片手間で始めるビジネスがそんなに簡単に儲けられるのでしょうか。どんなビジネスでも、経営者が人生を賭けて取り組んでいます。全力で努力して始めて充分な利益が上げられるものです。経営者がこれ(本業)だと決めたものは、途中で停滞することがあったとしても、磨いていけばもっともっと光り輝くのではないでしょうか。

あとがき

証券市場から資金調達ができるような大企業は、また別です。

この話は、いくら断定的に書いても説得力に限界がありますので、適切な事例があったら紹介したいと考えております。今回は、私の本音を吐露したということで。

The Wrath of the Norse Gods
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公開2007-12-14 経営全般