はい、これ弁護士を描いた少女漫画です。弁護士は税理士の近隣職種なので、お手軽に実情を知りたいと興味を持って、購入しました。軽い読みものとして、いいんじゃないでしょうか。
著者は弁護士でもないのに、原作者なしの監修のみで、ストーリーにそんなにおかしいところもなく、よく勉強しているなと感じます。
少女漫画
少女漫画だからといって、食わず嫌いはいけません。私は、たとえ本屋でもためらわずに買います。今回はたまたまAmazonで買いましたけど。
どうやら少女漫画の世界では、人はすべて美しく描かれるようです。たとえドロドロストーリーであってもです。
男子向けの漫画だと、キャラの強さを表すための存在感が重視されると思います。たまに少女漫画を読むと、その辺の価値観がずいぶんと違うなと感じました。
弁護士
弁護士の仕事は、税理士よりも、個別性が高いですね。定型業務ではないのです。だから、物語になるということなのでしょう。
さて、読み物としては、個別性が高い方が面白くなるのですが、ビジネスとしてみたら、どうでしょう。毎回、毎回、個別案件では、儲かる商売にはなりません。
ビジネスで成功するには、勝ちパターンを作って、それをガンガン回す必要があります。もう少しおとなしい表現をしますと、得意分野を反復継続する必要があります。その方が、商売人にとっても、お客さんにとっても、お互いに得になるわけです。
例えば、レストランでしたら、ランチメニューはA、B、Cからお選びください、とします。レストラン側は、品数が少なければ、味のチェックは万全ですし、食材の準備も無駄なくできて、調理の準備をして回転率を上げることができます。客にとっても、それなりの味の料理を、安く、はやく食べることができます。お互い満足です。
この勝ちパターンを作ることが、弁護士は難しそうだなと感じるのです。税理士も、結構複雑なサービス業だと思いますが、弁護士はそれ以上ですね。
今の時代、別に資格業に限らず、誰でも何かの専門職です。そうして付加価値をつけないと、そこそこの給料を稼ぐことはできません。身につけた専門知識は、需要と供給に応じて、値段の高低が決まります。
供給が需要を上回るようになった成熟経済においては、単に勉強さえすれば収入が上がるということは、もうないだろうと思うのです。
話が明後日の方向に行ってしまったので戻しますと、弁護士もだんだんと、十把一絡げに弁護士というだけでなく、それぞれ専門・得意分野を持つようになっていくのでしょう。そうすると、離婚なら離婚、相続なら相続と、いつも同じことをやるようになるので、この漫画のような物語性は失われていくでしょう。