買ってしばらく置いておいた本ですが、この分野の理解が進んだのか、すんなりと読めました。最近この手の本ばかり読んでいて、相当偏っている自覚があります。
そもそも、ネットでの商売に興味を持ったのは、1年前です。気合いを入れて記事を書きました。
» ネットを読み物の世界と商売の世界に分類する
この本を読んで、どの本にも同じようなことが書いてあるなと感じることもあります。多分、それが定石なのでしょう。つまり、自分のやるべきことが見えてきました。あとは実行あるのみですが、なかなか進まないところが課題です。
表紙には、テクニック、SEO、SEMといった言葉が並んでいます。本を売るための、はやり言葉です。Google誕生以降のトレンドを踏まえているということです。が、読み進むに従って、著者の経験に基づくネットビジネスはこうあるべきではないか、という熱い想いが伝わってきます。
読んでいて、これは!という点がいくつかあるので、書き出してみます。
サイトデザインは、グラフィックデザインよりも、情報設計の方が重要
グラフィックデザインは、外注するのもありだと思いますが、情報設計は、ビジネスそのもののノウハウになるのではないでしょうか。
インターネットでのビジネスは「仕込み」にたくさんのエネルギーがかかる
やっぱり、そうなんだ! 作るのが大変でも、しっかりしたWebサイトを構築すれば、それはビジネスにおける情報資産になる筈です。よし、頑張ろう。
読んで考えたこと
それぞれの商売には、最低限必要な規模というものがあると思います。ちなみに、最も効率がいい規模のことを、適正規模といいます。
世の中で特に必要とされていて利益が多いビジネスは、大企業ががっちりと押さえています。そういったビジネスには、大きな組織が適しているのだと思います。
しかし、小さな会社でも可能なビジネスならば、小さな会社達が大きな会社に勝つでしょう。大企業には、官僚的で動きが遅い、人件費が高い、というハンディがあるからです。
さて、インターネットでは、著者も述べているように、大企業も小企業も同じ土俵で戦うことになります。
今までの一般的概念ですと、その業界である程度のシェアを取っていることが、生き残っていくために必要だと考えられていました。そのことが、最低限必要な規模を規定していました。しかし、これからは、そのビジネスに必要なWebサイトをきちんと作れるだけの資金力と人員が、最低限必要な規模になるのではないかと思うのです。
例えば、一人で仕事をしていて、忙しいからホームページを作る時間とお金なんてないよ、という場合。ネット上では存在しないことになります。これだと、将来が不安です。
その逆に、たとえ少人数でも、見込み客を満足させるWebサイトを構築している会社は、大きいだけの会社に勝てます。ただし、この変化は、すぐではなく、10年ぐらいのスパンで考えないと、はっきりと見えてこないのではないでしょうか。
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