今年のうちに、この本について書いておかなければなりません。というのも、セミナーで著者の大谷展之氏の話を聞き、そのプレゼンテーションのうまさにすっかり感心してしまったからです。

税理士のためのマーケティング マニュアル本以外の情報は、以下で読めます。
» 会計事務所業績アップ実践レポート [まぐまぐ!]
» 経営コンサルティング情報 税務会計情報ネットTabisLand

著者と面識があると、感想が書きにくくなり、オブラートで包んでしまうかもしれませんが、書き進めてみましょう。

最初に、マーケティングの定義があります。「目の前に買ってくれるお客様を連れてくること」学者の本と違って、こういう分かりやすさが船井流の好きなところです。

マーケティングや営業というのは、税理士にとって苦手なもののひとつです。毎日、違う仕事(税理士の仕事)をしているのだから、専門家には絶対勝てません。知識、経験の絶対量が圧倒的に足りません。そういう意味で、どんな税理士でも潜在的にアドバイザーを必要としています。

問題は、自分に合った人を見つけられるか?、説得力があるか?、ということになります。私には、大谷氏から学ぶべきものがある、とピンときました。ただ、このエントリだけでは、よく説明できないかもしれません。

税理士業界は、比較的閉鎖的な業界です。なので、他の業界で豊富な経験を持つ船井総研が、この業界をみたら、どう感じるのか?、どこに目をつけるのか?、という興味があります。

税理士業界には、残念ながら、私が見聞きした限りで、すぐに結果が出るような方法論はないと思います。その代わりに、安定はしています。すぐに仕事がなくなるようなことはありません。そうすると、船井総研の売りである即時業績アップは難しいでしょう。

ただ、特効薬がないとしても、長期的にコツコツと努力をしていかなければなりません。特にマーケティング方面でどういう努力をしていくべきなのかを、この本は示してくれます。

現状分析として、需要>供給 な成長期から、需要<供給 な成熟期になったとのこと。よって、お客様から選ばれるために、特徴を出す、又は特定の業種に特化することを提案しています。方法論としては、Webサイト、セミナー開催、チャネル作りを提案しています。

すぐに、ほいやってみた、そしたら結果が出た、という性質のものではないけれども、至極まっとうと感じます。特に、このような理論や方法論を、著者達自身が忠実に実行しているところに好感が持てます。少し、著者の立場に立って考えてみましょう。

  1. いきなり総合経営コンサルタントを目指すのではなく、税理士業に特化する。
  2. 税理士事務所を相手に商売しているソフトメーカー、出版社を通して、セミナーをして見込み客を集める。
  3. 見込み客を、メールマガジンや、定期的な勉強会でつなぎ止める。

まさに、私はその術中にはまっているではありませんか! いや、ここは被害者意識を持つところではなくて、なるほど、このように進めていくのかと、お手本にするところです。言うことと行うことが一致している、言行一致は、一番説得力があります。問題は、私には、著者達ほどスマートにこの戦略を進めていける力量がないことです。

私としては、まずは、サービスの内容をしっかりとお客様に説明できなければならない。それができた上で、どのようにマーケティングしているのかという各論になるでしょう。ネットビジネスの話に当てはめれば、Webサイトを作り込む前に、広告を打つのは金の無駄だということです。

どうも、昔はいい仕事をしていれば、自然と増収増益したようですけれども、今の時代は、それに加えて、自分達の仕事内容をしっかりとアピールしていかなければならない、となっているようです。余分な仕事が増えたと思わず、新しい仕事にチャレンジできると考えることにします。来年の課題です。

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HDR : Sunrise at 6.09am by dcab2

公開2008-12-31 税理士業