経済学の教養本。経済史的について書かれているが、随所に現代の問題を持ち出し、池田節が現れているので、それが教科書と違って、読み手を飽きさせない。
池田節の最骨頂は、格差社会論について。ブログに書いていたら、反対意見のコメント多数でしょうが、書籍だと、噛みつかれることもないですね。
日本の「格差社会論」のほとんどは、実証データに基づかない情緒的なものだが、かりに格差が大きいとして、格差に反対する人たちは、いったいどうしろというのだろうか。全ての人の所得を完全に同一にしろとでもいうのか。
昔、明治大学経営学部の長尾史郎先生のゼミナールで、ハイエクの英文読みをやっていたのを思い出しました。当時の私は、さっぱりわからなかったけれども、この本で少しは理解が進みました。
後半、段々と、経済史の話から自由とは何かを考える哲学の話になります。この辺になると、話は抽象的だし、私の前提知識が不足していて、ちょっとわかりづらかったです。
この本の主張を一言で勝手にまとめると、「ハイエクが唱える自制的秩序がインターネット上に具現化している」といったところでしょうか。
池田先生は、かなり強力に「だ・である」調を使うので、流し読みしてると、全て断定された事実の様に受け取ってしまいかねないが、結構極論なので、本当は別の意見も沢山あるのだろうと最近思います。
わかりやすい入門書です。ただ、私がわかりやすいと感じるのは、日頃から池田信夫 blog を読んでいてるからなのかもしれません。